簡単にいえば
「年齢を重ねるにつれて男性ホルモンが低下し、身体全体のホルモンのバランスが崩れ、
そのことが原因で表れる様々な心身の不調のこと」です。
「LOH症候群」(=「加齢男性性腺機能低下症候群」)とも言われ、30代後半から60代男性にあらわれやすいと言われています。
その症状は、
慢性的な疲労感、頭痛、めまい、肩こり、腰痛といった身体症状、
イライラ、精神不安定、集中力ややる気の低下、無気力といった精神症状、
性欲の低下、勃起障害、射精障害といった性機能症状など多岐にわたります。
それでは、なぜ更年期障害があらわれてしまうのでしょうか?
本来、男性ホルモンは年齢と共に緩やかに低下するため、体内のホルモン環境も少しずつ変化、
それに合わせて身体もゆっくりと適応していきます。
ですが、「なんらかの理由」で男性ホルモンの分泌がガクンッと減少してしまった場合、
急激なホルモン環境の変化に身体は適応出来ず、大きな負担がかかり、結果として男性更年期障害の症状がでてきてしまうのです。
その原因としてあげられるのが、更年期の男性が置かれている仕事環境、家庭環境、体調の変化やそれに伴うストレスなど。
仕事では責任が重くなり、立場も変化することで、若い時のようにがむしゃらに働くだけではどうにもならないことも増えます。
家庭では子供の自立により父親や夫としての役割が変化。
そして、健康では身体機能の低下をはっきりと感じ、思うようにならない身体に「違和感」を感じ始めます。
このような様々な変化を上手く受け入れることが出来ないと、それは心への大きな負担に繋がり、気力が低下すると共に、
体の衰えにも拍車をかけ、男性ホルモンの分泌を大きく減らす原因となってしまうのです。
更に、更年期の男性と関わりの深い病気として「うつ病」や「副腎疲労(アドレナルファティーグ)」があげられます。
「ミドルエイジ・クライシス(中年の危機)」という言葉をご存知でしょうか?
まさしく、先程書いたような変化を上手く受け入れることが出来ず、心への負担が大きくなってしまった場合に起こる、
中高年男性特有のうつ病や不安障害をこう呼ぶのだそうです。
誰にでも起こり得ることなのですが、男性は誰かに相談することが苦手なため、精神的に追い詰められてしまう方も多く、
以前から深刻な問題として指摘されています。
そして、最近注目を浴びているのが「副腎疲労(アドレナルファティーグ)」。
副腎とは左右の腎臓の上に一つずつある重さ約8gほどの小さな臓器。
ですが、そこでは、抗ストレスホルモンをはじめ、私たちの身体にとって重要なホルモンが数多く作られており、
私たちの身体をコントロールしている臓器といっても過言ではありません。
その副腎が長年のストレスや大きなストレス、偏った食生活などが原因で過労状態となり、
著しく機能が低下してしまうことを「副腎疲労」と言います。
副腎の機能が低下すると、慢性的な疲労感、イライラといった精神的不安定、睡眠障害、免疫力の低下などの症状が引き起こされる他、
副腎では更年期の男性にとって大切な男性ホルモンも作られているため、男性ホルモンの低下にも繋がってしまうのです。
男性更年期障害、うつ病、副腎疲労(アドレナルファティーグ)。
これらは互いに深くリンクしており、それぞれがそれぞれを引き起こす「引き金」となったり、
影響しあうことで症状を増悪させてしまうこともあります。